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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻2号

1984年02月発行

文献概要

短報

精神症状で発症し伝染性単核症による脳炎と考えられた1例

著者: 松石竹志123 宮内利郎1 矢花辰夫1 横井晋1

所属機関: 1横浜市立大学医学部神経科 2現:神奈川県総合リハビリテーションセンター 3現:七沢障害・交通リハビリテーション病院精神神経科

ページ範囲:P.225 - P.230

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I.はじめに
 精神症状が先行したり,前景に立つ脳炎については,近年多くの報告2,3,8,13)をみる。しかし,意識障害をはじめとする脳炎の徴候に欠ける症例では,病初期からの臨床診断が困難な場合も少なくない7,10,12)。今回,我々は明確な意識障害,巣症状などの神経症状が目立たず,幻覚妄想状態の精神症状が前景にたち,当初内因性精神病が疑われたが,その経過中に髄液,脳波所見等からウイルス脳炎と診断された症例を経験した。なお本症例は経過中に,発熱,発疹,リンパ節腫脹,特有の血液豫などの典型的な伝染性単核症の臨床症状を呈し,またその原因ウイルスとされているEBウイルスの抗体価の上昇をみており,本脳炎の起因ウイルスと考えられたので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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