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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻3号

1984年03月発行

文献概要

研究と報告

“大都市”と“一地方都市”の妄想(幻覚)の内容についての比較

著者: 高橋隆夫1 馬場謙一2

所属機関: 1岐阜大学医学部精神科 2群馬大学教育学部

ページ範囲:P.273 - P.281

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 抄録 東京都23区の分裂病患者の妄想を,一地方のそれと比較し,以下のような結果を得た。
 1)“肉親”が加害者である場合が多く,“男女間の葛藤”という内容も目立った。
 2)“近隣者”その他の加害者はanonymな傾向にあった。また,“職場内の加害者”が多く,“学校内のそれ”は稀であった。
 3)“組織がかかわってくる”場合は男性に,“身近かな人間がかかわる”例は女性に多くみられた。後者では,“盗聴器が使用されている”と訴えるものが多かった。
 4)“介在する手段”としては“テレビ”が非常に多く,また地方例の“毒”に代って,“手術”,“検査”などが目立った。
 5)“生命,行動,考えなどが侵される”という場合が多く,また男性に“性の同一性が脅かされる”という例が存していた。
 6)“誇大妄想”,“馮依妄想”は減少かつ稀薄化していた。また,“天皇家に関する血統妄想”は1例もみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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