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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻3号

1984年03月発行

研究と報告

Alcoholismにおける各種診断基準の臨床的適用—NCA,RDC,アルコール中毒診断会議,DSM-IIIによる診断基準を比較して

著者: 鈴木康夫1 杉田知己1 鈴木節夫1 大原健士郎1 服部進也2

所属機関: 1浜松医大精神神経医学教室 2服部病院

ページ範囲:P.283 - P.289

文献概要

 抄録 浜松医大精神神経科および服部病院で経験した3例のalcohelicsに対し,NCAによる診断基準,RDC,アルコール中毒診断会議による診断基準,DSM-IIIの4つの診断基準を適用し,これらの診断基準の比較を行った。この結果,RDCはWHOのalcohol-related disabilityの概念に近い診断基準であることがわかった。NCAによる診断基準は内科的な身体障害には優れたスクリーニングの方法であり,また診断基準ではあったが,急性アルコール中毒は除外されている点で疑問が残った。アルコール中毒診断会議による診断基準は下位分類があり使用が容易である点で優れていたが,身体依存のみ,あるいは精神依存のみのalcoholismの扱いの点,および重複診断の点で今後の検討が待たれる。DSM-IIIはアルコールてんかんが除外されている点で問題はあるが,Axis I〜Vを採用し,かつ重複診断を認めている点で使用が容易で今後の発展性のある診断基準であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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