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巻頭言
精神科の診療報酬について
著者: 道下忠蔵1
所属機関: 1石川県立高松病院
ページ範囲:P.344 - P.345
文献購入ページに移動これは泣き言になるかも知れないが,大体わが国の精神科医は今まで診療は熱心に行いながら,自分達の仕事に対する報酬のあり方についておおらかというか,無頓着過ぎたのではなかろうかと思う。かくいう私自身も大学病院の助手時代はもちろんのこと,30年代民間精神病院の院長をしておりながら経営については理事長や事務長によりかかり毎日の診療に追われて,その報酬や経営問題にまでは頭が回らなかった。皮肉なことに「親方日の丸」といわれる県立精神病院の院長となり,毎年県議会の決算委員会で赤字の理由等について答弁するようになってから,いまさらのように診療報酬体系の不合理ということ,特に精神科の診療における技術料評価の低さに気づかされた次第である。
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