文献詳細
文献概要
研究と報告
抗けいれん剤過量長期投与中にみられた高アンモニア脳症—脳脊髄液中アンモニアと総たんぱくの増加
著者: 武井満1
所属機関: 1都立府中療育センター
ページ範囲:P.407 - P.415
文献購入ページに移動 抄録 抗けいれん剤が原因となって,脳症状態を示していたてんかん患者3例について報告した。これらの患者は抗けいれん剤服用開始後3年から10年の経過で,ねたきり化や知能の低下など精神身体的に次第に重症化してきており,検査上では血中と脳脊髄液中アンモニアの高値と脳脊髄液中総たんぱくの増加が明らかにされた。そして服用している抗けいれん剤を漸減することにより,脳波を含むこれらの検査上の異常と難治性の発作やねたきりなどの臨床症状に,著しい改善が認められた。
これらの事実から,次第に重症化しつつあるてんかん患者は抗けいれん剤が原因となって,〈高アンモニア脳症〉の状態にあったと診断された。
これらの事実から,次第に重症化しつつあるてんかん患者は抗けいれん剤が原因となって,〈高アンモニア脳症〉の状態にあったと診断された。
掲載誌情報