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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻4号

1984年04月発行

文献概要

研究と報告

抗けいれん剤過量長期投与中にみられた高アンモニア脳症—脳脊髄液中アンモニアと総たんぱくの増加

著者: 武井満1

所属機関: 1都立府中療育センター

ページ範囲:P.407 - P.415

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 抄録 抗けいれん剤が原因となって,脳症状態を示していたてんかん患者3例について報告した。これらの患者は抗けいれん剤服用開始後3年から10年の経過で,ねたきり化や知能の低下など精神身体的に次第に重症化してきており,検査上では血中と脳脊髄液中アンモニアの高値と脳脊髄液中総たんぱくの増加が明らかにされた。そして服用している抗けいれん剤を漸減することにより,脳波を含むこれらの検査上の異常と難治性の発作やねたきりなどの臨床症状に,著しい改善が認められた。
 これらの事実から,次第に重症化しつつあるてんかん患者は抗けいれん剤が原因となって,〈高アンモニア脳症〉の状態にあったと診断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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