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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻5号

1984年05月発行

文献概要

研究と報告

正常者・分裂病者の視覚変容(鏡映像)下における視覚協調運動反応時間

著者: 二宮英彰1 二宮嘉正1 池田暉親1

所属機関: 1宮崎医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.477 - P.483

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 抄録 前後・左右逆転鏡映像下の視覚協調運動反応時間を,正常者および分裂病者の両手について測定した。被験者は右利き正常成人31名と右利き分裂病者15名である。反応ボードの前および両横に鏡を垂直に置き,鏡映逆転像を作った。被験者は,無作為に点灯するスイッチを右手あるいは左手の指先で,出来るだけ早く押すよう指示された。スイッチ点灯からスイッチ押しまでを視覚協調運動反応時間として記録した。
 その結果,1)正常者・分裂病者とも各セッションの反応時間の相互関係は,同じパターンを示した。2)分裂病者は正常者に比し,反応時間が有意に延長した。3)分裂病者では右手試行の変動係数が左手試行に比し,有意に大きかった。これらの結果より,前後・左右逆転鏡映像下での視覚協調運動反応時間の差の原因の1つに脳梁による視覚情報交換過程が関与していること,また,分裂病者の反応時間遅延は,運動制御も含む,特に左半球の情報理能力の悪さを反映していること,が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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