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短報
下肢切断後に蛇憑きを呈した1症例
著者: 渡辺雅子1 渡辺裕貴1
所属機関: 1鹿児島大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.524 - P.526
文献購入ページに移動憑依状態は,精神分裂病,非定型精神病,祈祷性精神病,ヒステリーなど多くの病態に現われ,広い臨床的スペクトルを有し6),これまで精神病理学2,4,5,11)のみならず,社会文化精神医学5,6,9)民俗学10,13)などの各方面から詳細な研究がなされいる。宮本6)は,憑依状態を神仏や祖霊・人間霊による憑依と,動物霊による憑依に大別しており,近年動物霊の憑依事例の発生をみることが少なく,神仏や祖霊、人間霊による憑依と比較して稀であると述べている。現在までの報告によると1〜3,7,12,14),憑依する動物霊としては,狐,犬神のほかに,エズナ,イタチ,狸,蛇,ハリネズミ,ウサギなどがあげられている。しかし,「蛇憑き」はわずかに稲田ら2)の報告のみで,非常に稀である。
筆者らは,下肢切断後に蛇の憑依状態を呈した1症例を経験したので報告する。
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