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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻6号

1984年06月発行

研究と報告

感情障害における血漿コルチゾールの概日リズムとデキサメサゾン抑制試験

著者: 高橋三郎1 花田耕一2 高橋清久2

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学 2東京都神経科学総合研究所医化学部門

ページ範囲:P.579 - P.588

文献概要

 抄録 対象患者の作為的選択による結果の偏りを防ぐため一精神科病棟へ一定期間の間入院した全患者を対象とし,検査への不同意,精神症状,合併症などによる検査実施不能14.4%を除く131名の種々の診断の患者の結果を得た。診断はDSM-Ⅲにより,感情障害は30.5%ある。1日3回採血による血漿コルチゾール概日リズムの異常は17.6%の患者にみられるが,うつ病には少なく,躁病,精神分裂性障害,器質性精神障害に多い。デキサメサゾン抑制試験の非抑制者はメランコリー型うつ病のほか,躁病,神経性無食欲症,痴呆,精神分裂性障害などにも高頻度にみられ,この試験のみでのメランコリー型うつ病に対する診断特異性は判定値6μg/dlで72.3%である。リズム正常,試験非抑制の組合せ判定では79.5%に上昇する。精神医学的診断によりうつ病患者33名を選んだ後には,特異性は85.7%となり,判定値を5μg/dl,2回以上越えるものとすれば特異性は100%となった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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