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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻6号

1984年06月発行

研究と報告

精神分裂病者の事象関連電位(Late Positive Component)—抗精神病薬服用中の慢性例について

著者: 松林実1 小椋力1 岸本朗1 小村文明1 挾間秀文1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.607 - P.612

文献概要

 抄録 精神分裂病者のうち陰性症状のみを示す13人の慢性患者(平均年齢は32.6歳,全例抗精神病葉服用中)を対象に事象関連電位P300を記録し,同時にベントン視覚記銘検査を実施した。P300の潜時は分裂病者の場合367.9±27.6msec(平均値と標準偏差)で,健常対照者の321.3±10.5msecに比較して長く有意差が認められた(P<0.05)。N1-P3振幅は分裂病者の場合18.6±7.4μVで,対照者の29.0±10.4μVに比べ小さくここでも有意差が見出された(p<0.05)。短期記憶検査の正確数は,健常者に比較して少なく,正確数とP300,潜時の間には負の相関が認められた(P<0.001)。以上の結果と,同一の方法で実施した精神遅滞者に関する研究成績と比較しながら精神分裂病の病態生理,P300の有用性などについて考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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