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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻6号

1984年06月発行

研究と報告

IgE高値,高ミオグロビン血症,髄液中HVAの変動を伴ったSyndrome malinの1例

著者: 平井康夫1

所属機関: 1国立国府台病院精神科

ページ範囲:P.627 - P.632

文献概要

 抄録 高熱,錐体外路症状,自律神経症状などを呈し,syndrome malinと診断された1例について,以下のように検討と考察を加えた。
1)本例でみられた高ミオグロビン血症とCPKの高値は,rhabdomyolysisの存在を示唆すると考えられる。そこでrhabdomyolysisの生じる原因について考察した。
2)病態に関しては諸説があるが,最近IgE高値の症例が報告され,アレルギー機序との関連が示唆された。本例もIgE高値であり,特異抗体の検出が病態との関連を論じる上で重要である。
3)従来syndrome malin経過中には遷延した抗ドーパミン作用の存在する可能性が示唆されていたが,本例の髄液中HVA,5HIAAの推移や,他文献におけるプロラクチン値の推移からみて,その可能性は低いと推測した。
4)治療には,尿量のチェックと十分な補液が特に重要であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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