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短報
塩酸Amantadineによりせん妄状態を呈した精神分裂病の1例
著者: 高橋幸男1 小笠原暹1
所属機関: 1岩手県立南光病院
ページ範囲:P.648 - P.650
文献購入ページに移動I.はじめに
抗精神病薬による副作用としての薬物性parkinsonismに対して各種の抗parkinson剤(以下抗パ剤と記す)が用いられるが,これらの抗パ剤にも副作用が少なくない。1969年にSchwabら6)によりparkinsonism治療薬として導入された塩酸amantadine(以下amantadineと記す)においても,特異な精神症状,とりわけ幻視の出現が多いのが注目されている。
しかし,従来amantadineによる幻視に関する報告は,他科領域が多く,また精神科領域でも,精神病ないしその近縁の患者における報告は本邦では見当らない。今回我々は,精神分裂病患者で特異なせん妄状態を呈し,活発な幻視を認めた症例を経験したが,amantadincに起因すると思われたので簡単に報告しておきたい。
抗精神病薬による副作用としての薬物性parkinsonismに対して各種の抗parkinson剤(以下抗パ剤と記す)が用いられるが,これらの抗パ剤にも副作用が少なくない。1969年にSchwabら6)によりparkinsonism治療薬として導入された塩酸amantadine(以下amantadineと記す)においても,特異な精神症状,とりわけ幻視の出現が多いのが注目されている。
しかし,従来amantadineによる幻視に関する報告は,他科領域が多く,また精神科領域でも,精神病ないしその近縁の患者における報告は本邦では見当らない。今回我々は,精神分裂病患者で特異なせん妄状態を呈し,活発な幻視を認めた症例を経験したが,amantadincに起因すると思われたので簡単に報告しておきたい。
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