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短報
顆粒球減少症を合併した甲状腺中毒症に対するリチウムの作用
著者: 前田潔1 白滝貞昭1 春田有二1
所属機関: 1神戸大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.656 - P.657
文献購入ページに移動I.はじめに
炭酸リチウム(Li)はいまや躁うつ病の治療に不可欠の薬物となったが,それに限らず躁うつ病以外の精神疾患をはじめ神経病や内科疾患に至るまで使用されつつあり,その臨床応用は今後ますますひろがるいきおいにある4)。とりわけ甲状腺中毒症に対する効果や白血球増加作用が一般的承認を得つつある。
われわれは最近,情動性興奮,気分の易変性を示した甲状腺中毒症の患者において,服用していた抗甲状腺剤によると思われる顆粒球減少症のため,抗甲状腺剤や抗精神病薬の投与を中断せざるを得ず,Liのみを投与して精神症状,甲状腺機能および血液障害の経過を観察した。これらに対するLiの効果を同時に観察し得た稀な症例と考え報告する。
炭酸リチウム(Li)はいまや躁うつ病の治療に不可欠の薬物となったが,それに限らず躁うつ病以外の精神疾患をはじめ神経病や内科疾患に至るまで使用されつつあり,その臨床応用は今後ますますひろがるいきおいにある4)。とりわけ甲状腺中毒症に対する効果や白血球増加作用が一般的承認を得つつある。
われわれは最近,情動性興奮,気分の易変性を示した甲状腺中毒症の患者において,服用していた抗甲状腺剤によると思われる顆粒球減少症のため,抗甲状腺剤や抗精神病薬の投与を中断せざるを得ず,Liのみを投与して精神症状,甲状腺機能および血液障害の経過を観察した。これらに対するLiの効果を同時に観察し得た稀な症例と考え報告する。
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