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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻6号

1984年06月発行

古典紹介

—Marie, P.—「失語症の問題に関する再吟味」—第1論文:左第3前頭回は言語機能に何ら特別の役割を果たしていない—第1回

著者: 岡部春枝1 大橋博司2

所属機関: 1朝日生命名古屋診査室 2京都大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.659 - P.666

文献概要

 10年前にBicêtrの病棟部長になって以来,わたしは目に触れるすべての失語症患者を体系的に,入念に検査し,その数は約100例に及んだ。また失語症の50例以上にのぼる剖検の機会に恵まれた。これらの数をあげるのは,ただわたしがいま軽々しく失語症の大問題を取り上げるのではないことを示すためである。この問題に関して,この長い研究期間中,わたしは自分から公表しようと思ったことは一度もない。さらに十分な資料に裏付けられるのを常に待っていたからである。
 検査に応じてくれた患者の最初の数人を診るとすぐに,わたしは事実と現在支配的な理論との不一致を強く感じた。その後この不一致は増大するいっぽうであった。わたしがここで論じたいのは,この不一致を明らかにすることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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