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研究と報告
「フィナーレ創作法」による物語あそびの芸術療法的意義
著者: 清田一民1
所属機関: 1城南病院精神科
ページ範囲:P.731 - P.737
文献購入ページに移動 抄録 フィナーレ創作法による物語あそびの芸術療法としての「技法」は3段階から成る。その第1は,読み聞かせた未完成の童話に語られているドラマの意味を「受容」すること,第2に,フィナレーを創作し「伝達」すること,第3は,集団的「推敲」に参加すること。
この療法的「理論」として,①未完成の物語のもつ感動的効果,②創作をとおして,とかく一方通行的な患者の人間関係を,患者自ら発見的に改善する方向へ導く,③言語性の「受容」とそれに即応①た「伝達」の表現力を高める,④「感化的様式」の貧弱な日常的会話の改善,⑤治療者と患者は,物語を媒体として対等な人間関係のもとで連想的コミュニケーションを保つことができる,⑥集団的「推敲」によって,「ことば」の欠陥を自ら発見的に改善できる,などがあげられる。
この療法の分裂病への「適応」としては,「慢性的寡言寡動状態」における「ことばの復活」が究極的目標である。
この療法的「理論」として,①未完成の物語のもつ感動的効果,②創作をとおして,とかく一方通行的な患者の人間関係を,患者自ら発見的に改善する方向へ導く,③言語性の「受容」とそれに即応①た「伝達」の表現力を高める,④「感化的様式」の貧弱な日常的会話の改善,⑤治療者と患者は,物語を媒体として対等な人間関係のもとで連想的コミュニケーションを保つことができる,⑥集団的「推敲」によって,「ことば」の欠陥を自ら発見的に改善できる,などがあげられる。
この療法の分裂病への「適応」としては,「慢性的寡言寡動状態」における「ことばの復活」が究極的目標である。
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