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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻7号

1984年07月発行

文献概要

研究と報告

幼児自閉症,ダウン症状群の脳波学的研究—とくに光駆動反応について

著者: 斎藤秀光1 上埜高志1 松岡洋夫1 門間好道1 松江克彦1 大熊輝雄1 千葉英明2 谷口清3

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室 2国見台病院 3東北大学教育学部教育心理学科

ページ範囲:P.747 - P.756

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 抄録 13歳〜18歳の年齢帯にある正常児,中等度精神遅滞を示す自閉症児とダウン症児各6名について.閉瞼時脳波と光駆動反応を調べた。結果は,1)閉瞼時脳波は正常児群と自閉症児群で差がなく,ダウン症児群で徐波が多く,α帯域内にピークを示さぬ者を多く認めた。2)閉瞼時光駆動反応は正常児群と自閉症児群で両側後頭部から前頭部まで明瞭な反応を認めたが,ダウン症児群では後頭部振幅の著明な左右差や,中心部,前頭部での反応欠如を示す例が多く,高調駆動反応出現率の低下もみられた。3)図形刺激時光駆動反応は自閉症児で後頭部振幅の低下がみられた。4)駆動上限刺激頻度は,閉瞼時で正常児群>自閉症児群>ダウン症児群,図形刺激時で正常児群≒ダウン症児群>自閉症児群の順であった。以上より,ダウン症児は脳障害は存在するが,注意過程は正常児同様良好で,自閉症児は脳障害を示す所見に乏しいが,注意と関連する覚醒水準制御機構の障害が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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