文献詳細
研究と報告
文献概要
抄録 抗精神病薬によって発熱,錐体外路症状,自律神経症状などが稀ながら急激に発症し,それは悪性症候群として知られている。
報告例は双極性うつ病の男性で8年間に抗うつ薬常用量で,抗精神病薬による悪性症候群と症候学的には同じ病像を3回発症した。主な使用薬物は,第1回目がimipramine,第2回目がmaprotiline,第3回目がmianserinとamitriptylineであった。治療経験から,本症状群の発症要因は抗うつ薬の抗コリン作用のみには求められなかった。症状群の重症度は初期発熱から与薬中止までの日数に関連し,抗うつ薬の注射がtriggerともなっていた。発症条件はうつ病性亜昏迷と軽症糖尿病との関与が推定された。
本症状群は,臨床像ならびに臨床検査所見からも,悪性過高熱症と悪性症候群とに類似していることを指摘した。
報告例は双極性うつ病の男性で8年間に抗うつ薬常用量で,抗精神病薬による悪性症候群と症候学的には同じ病像を3回発症した。主な使用薬物は,第1回目がimipramine,第2回目がmaprotiline,第3回目がmianserinとamitriptylineであった。治療経験から,本症状群の発症要因は抗うつ薬の抗コリン作用のみには求められなかった。症状群の重症度は初期発熱から与薬中止までの日数に関連し,抗うつ薬の注射がtriggerともなっていた。発症条件はうつ病性亜昏迷と軽症糖尿病との関与が推定された。
本症状群は,臨床像ならびに臨床検査所見からも,悪性過高熱症と悪性症候群とに類似していることを指摘した。
掲載誌情報