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研究と報告
産褥精神病の症状理解に関する一考察
著者: 片岡憲章1 山内俊雄1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.815 - P.823
文献購入ページに移動 抄録 出産後に多彩な精神病像を呈したいわゆる産褥精神病の4症例を報告し,その臨床的位置づけならびに精神病像の構造について検討を加えた。
症例はいずれも出産数日後から不眠と感情不安定を示し,しばしば夫や家族に対して猜疑的となり,不穏,多動,錯乱,話のまとまりのなさなどさまざまな言動の異常を呈した。また,多くの場合,家人の育児に対する注意や,向精神薬の投与などを契機にして,急激に精神運動興奮を伴う幻覚妄想状態への移行がみられた。回復期には抑うつ軽躁状態を示すことがあったが,全く欠陥を残さずに治癒した。全経過は約2ないし8ヵ月であった。
本報告例の病像および経過は多彩であるが,精神病像の背景に散乱性の思考障害や困惑によって特徴づけられる軽度の意識混濁の存在が確かめられ,従来よりAmentia病像として把握されてきたものに相当すると考えた。
症例はいずれも出産数日後から不眠と感情不安定を示し,しばしば夫や家族に対して猜疑的となり,不穏,多動,錯乱,話のまとまりのなさなどさまざまな言動の異常を呈した。また,多くの場合,家人の育児に対する注意や,向精神薬の投与などを契機にして,急激に精神運動興奮を伴う幻覚妄想状態への移行がみられた。回復期には抑うつ軽躁状態を示すことがあったが,全く欠陥を残さずに治癒した。全経過は約2ないし8ヵ月であった。
本報告例の病像および経過は多彩であるが,精神病像の背景に散乱性の思考障害や困惑によって特徴づけられる軽度の意識混濁の存在が確かめられ,従来よりAmentia病像として把握されてきたものに相当すると考えた。
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