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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻8号

1984年08月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の社会適応に対するDay Hospitalの治療的役割—治療効果とその持続

著者: 浅井歳之1 小沢道雄1 土井永史1 池淵恵美1 増井寛治1 太田敏男1 亀山知道1 安西信雄1 宮内勝1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.841 - P.849

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 抄録 東大病院精神神経科Day Hospital(DH)に通院した82名(男45名,女37名)の分裂病圏患者を対象として,DH終了後2年間の社会適応を追跡調査し,その結果と患者の社会適応に関連すると考えられるDH通院開始以前の諸要因,およびDHでの諸要因との関連を検討した。さらに,DH通院開始以前の諸要因とDHでの諸要因との関連も検討した。その結果,DH終了後の社会適応と有意に関連する要因は,性別,学歴,職歴の有無,病前社会適応,発病後DH通院開始時までの社会適応,DHでの集団適応,DH終了形態であった。これらの要因の中でDH終了後の社会適応との関連が最も強い要因はDH終了形態であった。DH終了形態と上記のDH通院開始以前の諸要因との間には有意な関連はなかった。以上のことは,DHを経た分裂病患者の社会適応は,DH通院開始以前の要因によって決定づけられたものでなく,治療によって変えうるものであり,DHが有効であることを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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