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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻8号

1984年08月発行

文献概要

研究と報告

遅発性ジスキネジア及びその近縁疾患に対するClonidineの治療効果

著者: 西川正1 古賀五之1 内田又功1 田中正敏2

所属機関: 1医療法人社団清和会西川病院 2久留米大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.867 - P.872

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 抄録 Tardive dyskinesia及びその近縁疾患(spontaneous dyskinesia,levodopa induced dyskinesia,tardive dystonia)を有する28症例にclonidinc 0.15〜0.45mg(1日用量)を投与し,最長3年11カ月間治療効果を観察した。clonidineはこれらの症候群に抑制効果を示し,全症例では75%の有効率を示した。また長期間持続する重症例を含め50%の症例で,これらの症状の完全消失をみた。併用抗精神病薬としてはthioridazine,levomepromaznie,sulpirideが有用であり,ドーパミン作動薬であるbromocriptineの併用で,dyskinesiaが完全消失する症例も認めた。以上の知見より,これらの症候群にはドーパミン受容体の過感受性のみならずノルアドレナリン系ニューロンの作動機構の異常も関与するものと推察された。またtardive dyskinesiaに対するclonidine治療の経験より,この疾患の予防と治療法についても言及した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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