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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻9号

1984年09月発行

文献概要

研究と報告

Gilles de la Tourette症状群:10症例の臨床的研究

著者: 野本文幸1 八代るり子1 高橋滋1 宮真人1 椎原康史1 山岡正規2 荻野忠3

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院精神神経科 2現・愛媛大学 3現・都立松沢病院

ページ範囲:P.929 - P.935

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 抄録DSM-IIIの診断基準によるGilles de la Tourette症状群の10例について臨床的検討を行った。10例の年齢は8〜27歳(平均15歳)で男女比は9:1である。家族歴では30%にチック症,別の30%に精神病の負因が認められた。汚言症は20%に認められ,欧米の報告に比して低率であった。先行症状・合併症状では強迫症状が40%,不登校が40%,夜尿症が30%と比較的多く認められた。家族歴と合併症状との関連では,チック症の負因のあるものは負因のないものよりも夜尿症を多く示す傾向が認められ(P=0.070),精神病の負因のあるものは全例が強迫症状を示した。また,脳波異常は60%に認められた。薬物療法ではハロペリドールが3mg以下の少量で有効であり,ピモジドあるいはクロナゼパムとの併用も有効であった。チック症の遺伝負因のある症例は,夜尿症の合併した症例及び脳波で棘波を示した症例と完全に一致し,全例が男性例でハロペリドールが有効であった。これらは本症状群の一亜型と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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