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研究と報告
進行性全身性硬化症(PSS)にみられた神経精神医学的所見についての検討
著者: 山下元基1 武田憲明1 白河裕志1 植木啓文1 森清幹也1 森俊二2 前田学2 森也寸志2 貝谷壽宣1
所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神医学教室 2岐阜大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.947 - P.953
文献購入ページに移動著明な精神症状を示したのは2例で,その症状の基底に意識障害の存在が疑われ,症状精神病の病像を呈した。1例は尿毒症であったが,血清尿素窒素(BUN)が減少した後も錯乱状態はしだいに悪化し,数週間後に脳出血にて死亡した。他の1例は躁状態を呈したが,約半年後に精神症状は軽快した。また,その他多くの患者は神経症性の不安・抑うつ状態を呈した。脳波所見は16例中7例に異常が認められ,そのうち6例が徐波化であった。また,心理検査にても軽度知能低下傾向,特に抽象的問題解決能力低下傾向が示された。
以上精神医学的検索から,PSSに際しみられる精神症状は,中枢神経系のびまん性の器質性障害が基盤となり,更に,患者の病前性格や難病に対する心理的反応が加わり,発症するものと考えられた。
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