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研究と報告
抗てんかん薬服用中患者におけるビタミンD代謝異常—生化学的検査所見および臨床因子との相関について
著者: 高坂要一郎1 高松和夫1 星直哉1 山内俊雄1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.955 - P.961
文献購入ページに移動血清25-hydroxyvitamin D3(25OHD)と血清phenobarbital濃度は負の相関を示し,この薬が25OHDを不活化することが推測された。しかし,25OHDと血清diphenylhydantoinおよびcarbamazepine濃度との間には有意の相関は認められなかった。25OHD値と服薬年数との間にも有意の相関は認められなかった。一方calcium(Ca)値は25OHD値と正の相関を,服用薬剤数とは負の相関を示した。ただしCa低下の程度はhypreparathyroidismをもたらすほどではなかった。他にγ-GTPが高値を示す症例が多くみられた。
vitamin D代謝異常は抗てんかん薬の生体への作用を基盤とし,それに個体側の因子―例えば女性,頻発する発作,精神運動発作,性格変化など患者の活動を制限し,日光暴露時間を減少させるような因子―が加わって顕在化するものと思われる。
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