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雑誌目次

論文

精神医学27巻1号

1985年01月発行

雑誌目次

巻頭言

精神科医倍増論の提唱

著者: 西園昌久

ページ範囲:P.4 - P.5

 このところ,医師数急増問題がにわかに議論されている。昭和58年で推定医師数は181,000人,人口10万当たり152人となり,昭和45年医学部新設を解禁した時の人口10万当り150人程度の医師数確保の目標をすでに達成したことになる。今後,現状のまま推移すれば,人口10万対で医師数は昭和75年には210人,昭和100年にはおよそ300人となり,その後も増加するとみこまれている。これは,今後の医療需要の伸びを考慮しても多すぎるということで,いろんな段階で議論がされている。ところで,人口10万対で適正な医師数を決めることははなはだ困難なことである。ベルギー,西ドイツ,オランダのごときはすでに人口10万当り200人の大台を突破しているし,医療費の高騰がたえず問題にされるアメリカでも現在190人で,1990年には240人になると想定されるが,どの国も過剰とは断定しきれず,医師数のコントロールの方法を見いだしかねているといわれる。外国人医師の流入をきびしく抑制することをとっている国があるくらいである。それは,今後予想される医療需要,考えられるべき医療供給,更には,医療組織や技術についての予測が不可能なことによる。現在の時点でも,わが国では医療需要と供給バランスの専門格差と地域格差は目を掩うばかりである。精神科領域についてみても,東京地区では,保険外の自費診療での精神分析診療所を開設しようとする若い精神科医が続出しているというのに,地方の精神病院の医師,ことに訓練を受けた精神科医の少なさは悲惨なほどである。地方といってもそれほど過疎地とはいえない中都市でもそうである。
 少なくともどの程度の精神科医数が必要なのであろうか。この種のことを政策的に予測しているものは,英国である。1978年英国保健社会保障省が発表した“Medical Manpower―The nexttwenty years”では,各診療科を,“地域医療”分野,“各科診療”専門分野,“Support”専門分野(麻酔科,放射線科,病理科),“Client”専門分野(精神科および老人病科)に4分類しているが,英国でも医師数は急増しているが,それでもなお,後者2専門分野は不足すると予測して,精神科医についていえば,コンサルタント医を290人増加させるべきであるとしている。そして,病院勤務医の7%近くが精神科医であるという。米国のGraduate Medical Education National Advisory Committee(卒後教育全国諮問委員会)略称GMENAC報告(1980)では,1990年に,米国では精神科医が38,500人,児童精神科医9,000人それぞれ必要なのに,実際には30,500人,4,100人が予想されるので,予想よりも20%レジデントを増加させる必要があると勧告している。この必要な精神科医数は,全医師53万6千人の9%近くになる。こうした予測は精神医療に対する需要の増加に基づくものであることは申すまでもない。ハーバード大学総長の1982〜83年報告によると,プライマリ・ケア施設を訪れた患者の1/3〜1/2は情緒障害あるいは認知障害であったとして,これに対応する医療を確保するために医学校におけるカリキュラムの大改正の必要性のあることを指摘している。精神科医だけでカバーしきれないというのである。この種の報告は,フランスにある赤十字アンリ=デュナン研究所とSandoz社の共同研究でもなされている(P. Sclby,若松栄一監訳:医療の未来像)。欧米諸国の人口の半数は援助を必要とする精神不健康で,将来の医療は“がん”,“心臓血管疾患”とともに“精神障害”が重要になるとしているのである。

展望

音楽と神経心理学—第2回

著者: 渡辺俊三 ,   北條敬 ,   田崎博一 ,   佐藤時治郎

ページ範囲:P.6 - P.14

VII.臨床
 失音楽症の臨床を文献的にみると,失音楽症の約10分の7は失語症を有しているという7)。しかも,運動性の失語症では音楽障害も表出性のもので,受容性の音楽障害は語ろうとかWernicke失語がみられ,音楽性の失書7例中4例が失語面で失書がみられ,音楽性失読6例中3例に言語性の失読をみたという。健忘失語では音楽面はほとんど障害されていなかったが曲名を思い出せなかった例もある。
 以上は失音楽症と失語症の質的関連の高いものであるが,逆にその数は少ないものの質的に異なる関係のものがある。前述のEdgren28)の第17例は失語面で語唖・失書・語盲を有しているが,失音楽症ではメロディーろうという聴覚的障害がみられる。Kleinら(1956)63)の語ろうの例で復唱の障害があったが,聞きなれたメロディーはほとんど認知できた。

研究と報告

罪責体験について—退行性の抑うつ精神病例の検討を介して

著者: 伊東昇太 ,   古川正

ページ範囲:P.15 - P.21

 抄録 「審判」の概念に注目しながら,罪責体験についての備忘録を用意し,この体験が民族の心性にかかわる問題であることをまず指摘した。ついで当該体験の顕著な,しかも退行期から老年期に至る8年間の経過を追跡した内因性の抑うつ精神病例を介して,この体験の変遷について検討した。すなわちその方向性と姿勢制禦に触れ,自己叱責と他者への責任転嫁が区別された。しかも心的機制として前者の免責棄却と後者の免罪という体験の独立と分離化が妄想性の「外在化」現象であるとみなした。
 同時に,この年齢域の症例のいかにもプレグナントなことが罪責体験を照準におくことで確認され,退行性の加年者の精神病態の説明の様々な可能性の許される理由についても附言した。

精神分裂病患者の病前の言語行動—とくに関係文についてのアンケートの分析から

著者: 臼井宏 ,   土居通哉 ,   佐藤達彦 ,   池田マリ ,   佐藤直美 ,   立壁典泰 ,   田代芳郎 ,   多田幸司 ,   田辺義貴 ,   越川法子 ,   日下部陽子 ,   木戸幸聖

ページ範囲:P.23 - P.33

 抄録 79例の精神分裂病患者とその親に患者の病前の雑談についてのアンケートを実施し,それを247名の正常対照群と比較した。分裂病者は小児期からおとなしく,成長後も家族と積極的に雑談をせず,話題に乏しい傾向があり,その結果,対人的社会行動としての,人間関係の形成,維持,破壊に影響を与える文,つまり関係文を習得する機会に乏しいと思われる。病前の彼らは友人に冗談を言ったり,試験,趣味,芸能人などについて発言することはあるが,他人の批判,噂,悪口,陰口などの関係文を避ける傾向がある。そのため,対人関係に関する欲求不満は解消されず,他者の発言する関係文の否定的機能にばかり注意が向き,その真意を理解せず,対人関係についての認知を歪める結果になると考えられる。多くの分裂病者が,批判される,噂される,悪口や陰口をいわれると体験するが,その背景には以上のような病前の関係文に対する態度が関連していると考えた。

高齢で初発した幻聴を主徴とする症例

著者: 立山萬里 ,   浅井昌弘

ページ範囲:P.35 - P.41

 抄録 高齢になってはじめて幻聴を主徴に発病した女性3例を報告した。いずれも60歳以上の発病で,主訴は,「ムジナの声が聞こえ,いちいち動作に注文をつける」(第1例),「隣人の声で『爆弾を落とす』とおそろしいことが聞こえる」(第2例),「水道の音に混じって悪口が聞こえる」(第3例)と,具象的で実体性のある内容で,空間に定位されやすく,夜間に増強し,極期を除いて批判力は比較的保たれているという特徴があった。いずれも経過中には知的減退や人格のくずれは目立たず,幻聴は,構造的には一級症状(Schneider, K.)と同じものも認められ,抗精神病薬に反応するが再燃傾向があり,知覚としてより明瞭な表現型をとる一方,批判力を持ちやすい点から,幻覚症(ClaudeとEy)として抽出されうる面もあると思われた。また,脳器質性疾患の幻覚との類似点や,幻覚の明瞭度に及ぼす加齢性の影響について考察した。

透明中隔腔およびヴェルガ腔を有する症例の精神症状について

著者: 宮永和夫 ,   川原伸夫 ,   高橋滋 ,   尾内武志 ,   森弘文 ,   横田正夫

ページ範囲:P.43 - P.49

 抄録 CTスキャンを施行した群馬大学医学部附属病院受診者を調査し,透明中隔腔及びヴェルガ腔を有する症例を抽出し検討した結果,以下のような知見を得た。
 (1)全科9,408例(男5,104例,女4,304例)中,男29例,女16例の計45例(0.47%)にこれらの腔を認めた。なお男性に女性より多く認められた。
 (2)45症例は,透明中隔腔のみ35例(78%),透明中隔腔及びヴェルガ腔9例(20%),ヴェルガ腔のみ1例(2%)に分けられた。
 (3)45例には,疾患別にみると,てんかん,頭痛,発育障害,精神分裂性障害などが多く認められた。
 (4)内因性精神病,すなわち精神分裂性障害と感情障害においては約5%の頻度でこれらの腔が認められた。
 (5)これらの腔と精神分裂病症状の関係は,1)症状形成に関与する,あるいは 2)単なる合併であるというつの可能性が指摘された。

熱性けいれんにおける外的要因の臨床的意義

著者: 坪井孝幸 ,   岡田滋子

ページ範囲:P.51 - P.57

 抄録 一般集団3歳児17,044名を対象とし,熱性けいれん児1,406名について,発症,臨床症状および予後に及ぼす外的環境要因の役割について分析した。出生前・周産期・出生後におけるさまざまな外的要因のうち難産,新生児仮死,臍帯巻絡は熱性けいれん発症の危険因子であることが示された。外的要因の関与をもつ熱性けいれん小児は,同時に遺伝負因が高率であり,また発作を5回以上繰り返すものが多かった。外的要因のみが3歳以後の熱性けいれんの再発や無熱性けいれんへの移行の危険率を高めるとはいえない。しかし,外的要因関与の頻度は,熱性けいれんから無熱性けいれんへ移行した小児で高率であり,熱性けいれんのみにとどまるものでは低率であり,正常対照群に比較してやや高い程度であることが示された。

Zotepineの投与中にけいれん発作を生じた精神分裂病患者の5例について

著者: 万丸章三

ページ範囲:P.59 - P.70

 抄録 精神分裂病患者25例にzotepine(Lodopin)を投与して,妄想や衝動行為にこれまでの抗精神病薬にない効果を認める一方,その中等〜高用量(300〜700mg)を投与した5例(20%)にけいれん発作をみた。検討の結果zotepineのけいれん発作誘発力価はchlorpromazineの少なくとも2倍はあり,安全域は300mgまでと考えられた。別個に,やはり精神分裂病患者から成るzotepine非投与群21例を選び,また上記25例の中からzotepine投与非発作群14例,発作群5例を抜きだし,計3群の間で脳波所見を比較した。その結果棘徐波複合の形態による群間比較から,この順にけいれん準備性が高まっていくと考えられた。発作群の中の2例は若年発症で既往歴や高度徐波異常を有し,他の3例は過去の電撃療法の回数が多かった。発作は素因の基盤の上でzotepine投与が契機となって生じたと考えられるが,両者の関わる度合は症例により異なる可能性がある。zotepincのもつ抗5-HT作用が発作発現に果たす可能性についても論じた。

難治性慢性精神分裂病に対するハロペリドール大量点滴静注の効果について

著者: 寺山賢次 ,   金子元久 ,   熊代永 ,   寺山晃一 ,   清野義一 ,   青野哲彦

ページ範囲:P.71 - P.77

 抄録 一陽会病院に入院中の難治性慢性精神分裂病者20例に対して1日40mgのhaloperidolの点滴静注を10日間行った。その結果は,著効1例,有効8例,微効5例,不変5例,副作用による投与中断例1例などであり,有効率は45%であった。症状別効果では,「幻覚」,「妄想」だけでなく「運動減退」,「非協調性」,「情動鈍麻」,などの陰性症状の改善も認められた。
 副作用は,錐体外路症状として2例に眼球反転現象,1例に口唇ジスキネジアと手指振戦が認められたが,抗パ剤投与により消失した。自律神経症状として2例に胸内苦悶と心悸亢進が認められ,そのうちの1例は訴えが強くHALの投与を中断した。その他に精神症状として3例に不安感,2例に焦燥感,5例に眠気が認められたが,いずれも軽度であった。このように副作用については経口投与と比較し特に差異はなく,本療法は難治性の慢性精神分裂病に対して試みてみるべき治療法のひとつであるように思われた。

抗精神病薬の併用(haloperidolとoxypertine)が臨床症状,両薬の血中濃度,プロラクチン値に及ぼす影響

著者: 小椋力 ,   内田又功 ,   五十嵐良雄 ,   西川正 ,   古賀五之 ,   田中潔 ,   井上寛 ,   湊川文子

ページ範囲:P.79 - P.87

 抄録 抗精神病薬を併用投与することは少なくないが,この併用の臨床効果,薬物動態に及ぼす影響は厳密に調べられていない。今回,薬理作用,治療効果の異なる抗精神病薬haloperidolとoxypertineを取り上げ,併用効果,相互作用を検討した。対象は,男子慢性分裂病者15人(平均年齢:32.7歳)で,haloperidol 1日量10mg(N=12)ないし5mg(N=3)とoxypertine 1日量160mgを8週間併用した。その結果,全体として著明な改善はなく,二重盲検法ではないためプラセボ効果も否定できないが,治療効果がある程度に認められ,とくに「情意の自閉」(感情接触)と「生活規律性」に対して有効であった(p<0.05)。併用による重篤な副作用はなかった。oxypertineの併用2週間後にhaloPeridolの血中濃度は増加し(p<0.05),これはoxypertineによるhaloperidol代謝酵素活性の抑制であろうと推論した。oxypertineならびprolactinの血中濃度も測定した。

分裂病として治療され前頭骨線維性骨形成異常が発見された1例

著者: 慈性隆義 ,   鈴木康夫 ,   植田恵美子 ,   大原健士郎

ページ範囲:P.89 - P.94

 抄録 右前頭骨の線維性骨形成異常の1例を報告した。症例は26歳女性で,約5年前から,幻聴,妄想,意欲減退,自閉傾向などの分裂病様の精神症状を呈し,最近になって健忘症状が加わったものである。本症例は分裂病として治療されていたが,頭痛を契機に頭部の精密検査をしたところ,頭蓋骨腫瘍が発見された。CTスキャンでは腫瘍が右前頭〜側頭葉の一部にかけてかなりの圧迫を加えていることがわかり,電気生理学的にも前頭葉機能の低下が認められた。前頭葉腫瘍による精神症状としては,特有の人格変化などに加え,幻覚・妄想をはじめ多彩な精神症状を呈することが報告されており,本症例の精神症状も前頭葉障害によるものではないかと疑われ,文献的に若干の考察を行なった。

カプグラ症状群を呈したてんかん精神病の1例

著者: 浅見隆康 ,   松沢一夫 ,   関谷務 ,   町山幸輝

ページ範囲:P.95 - P.99

 抄録 カプグラ症状群の成因についてはこれまで主として精神病理学的観点から論じられてきたが,近年英語圏を中心に脳の器質的病変が注目されている。われわれは,出産時の右頭頂部陥没骨折により左半身不全麻痺を遺し,7歳でてんかん発作を初発,26歳でカプグラ症状を伴う幻覚妄想状態を呈したてんかん精神病の症例を経験した。てんかん精神病に出現したカプグラ症状群の報告は極めて少ないので,本症例の概略を報告するとともに,カプグラ症状群の成因に関して考察し,右大脳半球機能障害が重視されるべきことを論じた。

短報

覚醒剤による中毒性精神病のFlashback現象にみられたT3-Thyrotoxicosis

著者: 中西俊雄

ページ範囲:P.100 - P.103

I.はじめに
 甲状腺機能亢進症の中には,血中triiodothyronine T3濃度が異常に高く,thyroxine T4濃度は正常範囲内に保たれている状態がある。それはT3-thyrotoxicosis(以下T3-toxicosisと略記する)と呼ばれ,亢進症の治療中に観察されることもある。この状態は,観察される機会が極めて少なく,海外の研究をも含めて,年間,2,3の報告がなされるにすぎない。その成立機転は今なお解っておらず,研究者達の興味をひいている。ところが,筆者自身が診療にあたる極めて限られた患者の中に,20数例において,T3-toxicosisが観察された。一部については,既に報告したが2,3,5),今回は,覚醒剤による中毒性精神病を経験した者が,飲酒に誘発されたflashback現象の状況下で,T3-toxicosisの状態にあった事例を報告する。

家族性分裂病と散発性分裂病の比較研究

著者: 鈴木康譯 ,   岡田庸男

ページ範囲:P.104 - P.106

I.はじめに
 精神分裂病を分裂病の家族負因の有無及び程度に応じて「家族性分裂病」と「散発性分裂病」に分け,両者の精神医学的な比較を行ったところ,若干の興味深い結果が得られたのでここに報告したい。

資料

やせを伴うEating disorderの臨床的研究—22年間の216症例について

著者: 北村陽英 ,   藤本淳三 ,   井上洋一 ,   豊永公司 ,   窪田直美 ,   館直彦

ページ範囲:P.107 - P.116

 抄録 やせを伴うEating disorder(以下EDE)の臨床での実態を把握するために,過去22年間の0大学精神科における受診状況を調査した。
 1)EDEで受診した患者は216名(女201名,男15名)あり,昭和49年頃以降に増加傾向が著しい。2)40%に過食が,39%に嘔吐が認められた。3)発症時年齢は,9歳から31歳の間にあり,最多発年齢は15歳,平均発症時年齢は16.4歳であった。EDEの小児型(前青年期型)ならびに晩発型(青年期媛期型)が存在する。4)結婚例は11名(5%),出産例は4名(2%)であった。死亡例は6名(3%)あり,そのうち4名は自殺死していた。5)発症後平均8.0%年を経た時点で,42%が社会適応不良であり,67%は精神身体症状が不変または悪化しており,慢性の経過をとる例が多い。
 EDEの増加傾向に対して,長期的見通しを持った精神医学的治療の確立か必要であり,その病理解明のために,女性性と母性をめぐる社会病理的視点が必須と考えられる。

動き

「第6回日本生物学的精神医学会」印象記

著者: 挾間秀文

ページ範囲:P.118 - P.119

 第6回日本生物学的精神医学会は昭和59年3月23日・24日の両日,国立武蔵療養所島薗安雄所長を会長として,東京都の日本都市センターホールにおいて開催された。総会における鳩谷理事長(留任)の報告によると,本会会員は年毎に増加し,本年3月21日現在で689名に達しているとのことであった。また本年度学会では一般演題は104題(うち取下げ1題)におよび,昨年の90題を上回る盛況であった。ただ本学会の入会には限られた理事の推薦を要することもあり,出題機関の8割以上は全国大学精神科教室で,大学精神医学研究会の観を呈していた。
 本年の学会では一般演題のほか,会長講演と教育講演3題が行われた。会長講演は「眼とこころ」と題するものであったが,島薗会長とその門下の方達の眼球運動に関する長年にわたる研究成果をまとめて述べられた。とくに分裂病者の眼球運動の行動学的所見を,脳の生理学的,生化学的情報と関連づけられるとともに,個々の文献からは整理のつかないことがらをわかりやすく総括された。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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