文献詳細
研究と報告
透明中隔腔およびヴェルガ腔を有する症例の精神症状について
著者: 宮永和夫1 川原伸夫1 高橋滋1 尾内武志1 森弘文1 横田正夫1
所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.43 - P.49
文献概要
(1)全科9,408例(男5,104例,女4,304例)中,男29例,女16例の計45例(0.47%)にこれらの腔を認めた。なお男性に女性より多く認められた。
(2)45症例は,透明中隔腔のみ35例(78%),透明中隔腔及びヴェルガ腔9例(20%),ヴェルガ腔のみ1例(2%)に分けられた。
(3)45例には,疾患別にみると,てんかん,頭痛,発育障害,精神分裂性障害などが多く認められた。
(4)内因性精神病,すなわち精神分裂性障害と感情障害においては約5%の頻度でこれらの腔が認められた。
(5)これらの腔と精神分裂病症状の関係は,1)症状形成に関与する,あるいは 2)単なる合併であるというつの可能性が指摘された。
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