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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻1号

1985年01月発行

研究と報告

Zotepineの投与中にけいれん発作を生じた精神分裂病患者の5例について

著者: 万丸章三1

所属機関: 1山田病院

ページ範囲:P.59 - P.70

文献概要

 抄録 精神分裂病患者25例にzotepine(Lodopin)を投与して,妄想や衝動行為にこれまでの抗精神病薬にない効果を認める一方,その中等〜高用量(300〜700mg)を投与した5例(20%)にけいれん発作をみた。検討の結果zotepineのけいれん発作誘発力価はchlorpromazineの少なくとも2倍はあり,安全域は300mgまでと考えられた。別個に,やはり精神分裂病患者から成るzotepine非投与群21例を選び,また上記25例の中からzotepine投与非発作群14例,発作群5例を抜きだし,計3群の間で脳波所見を比較した。その結果棘徐波複合の形態による群間比較から,この順にけいれん準備性が高まっていくと考えられた。発作群の中の2例は若年発症で既往歴や高度徐波異常を有し,他の3例は過去の電撃療法の回数が多かった。発作は素因の基盤の上でzotepine投与が契機となって生じたと考えられるが,両者の関わる度合は症例により異なる可能性がある。zotepincのもつ抗5-HT作用が発作発現に果たす可能性についても論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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