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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻1号

1985年01月発行

研究と報告

難治性慢性精神分裂病に対するハロペリドール大量点滴静注の効果について

著者: 寺山賢次1 金子元久1 熊代永1 寺山晃一2 清野義一2 青野哲彦2

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神科 2一陽会病院

ページ範囲:P.71 - P.77

文献概要

 抄録 一陽会病院に入院中の難治性慢性精神分裂病者20例に対して1日40mgのhaloperidolの点滴静注を10日間行った。その結果は,著効1例,有効8例,微効5例,不変5例,副作用による投与中断例1例などであり,有効率は45%であった。症状別効果では,「幻覚」,「妄想」だけでなく「運動減退」,「非協調性」,「情動鈍麻」,などの陰性症状の改善も認められた。
 副作用は,錐体外路症状として2例に眼球反転現象,1例に口唇ジスキネジアと手指振戦が認められたが,抗パ剤投与により消失した。自律神経症状として2例に胸内苦悶と心悸亢進が認められ,そのうちの1例は訴えが強くHALの投与を中断した。その他に精神症状として3例に不安感,2例に焦燥感,5例に眠気が認められたが,いずれも軽度であった。このように副作用については経口投与と比較し特に差異はなく,本療法は難治性の慢性精神分裂病に対して試みてみるべき治療法のひとつであるように思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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