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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻1号

1985年01月発行

研究と報告

抗精神病薬の併用(haloperidolとoxypertine)が臨床症状,両薬の血中濃度,プロラクチン値に及ぼす影響

著者: 小椋力1 内田又功2 五十嵐良雄3 西川正2 古賀五之2 田中潔4 井上寛1 湊川文子3

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2西川病院 3埼玉医科大学精神医学教室 4倉吉病院

ページ範囲:P.79 - P.87

文献概要

 抄録 抗精神病薬を併用投与することは少なくないが,この併用の臨床効果,薬物動態に及ぼす影響は厳密に調べられていない。今回,薬理作用,治療効果の異なる抗精神病薬haloperidolとoxypertineを取り上げ,併用効果,相互作用を検討した。対象は,男子慢性分裂病者15人(平均年齢:32.7歳)で,haloperidol 1日量10mg(N=12)ないし5mg(N=3)とoxypertine 1日量160mgを8週間併用した。その結果,全体として著明な改善はなく,二重盲検法ではないためプラセボ効果も否定できないが,治療効果がある程度に認められ,とくに「情意の自閉」(感情接触)と「生活規律性」に対して有効であった(p<0.05)。併用による重篤な副作用はなかった。oxypertineの併用2週間後にhaloPeridolの血中濃度は増加し(p<0.05),これはoxypertineによるhaloperidol代謝酵素活性の抑制であろうと推論した。oxypertineならびprolactinの血中濃度も測定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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