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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻1号

1985年01月発行

文献概要

研究と報告

分裂病として治療され前頭骨線維性骨形成異常が発見された1例

著者: 慈性隆義1 鈴木康夫1 植田恵美子1 大原健士郎1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.89 - P.94

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 抄録 右前頭骨の線維性骨形成異常の1例を報告した。症例は26歳女性で,約5年前から,幻聴,妄想,意欲減退,自閉傾向などの分裂病様の精神症状を呈し,最近になって健忘症状が加わったものである。本症例は分裂病として治療されていたが,頭痛を契機に頭部の精密検査をしたところ,頭蓋骨腫瘍が発見された。CTスキャンでは腫瘍が右前頭〜側頭葉の一部にかけてかなりの圧迫を加えていることがわかり,電気生理学的にも前頭葉機能の低下が認められた。前頭葉腫瘍による精神症状としては,特有の人格変化などに加え,幻覚・妄想をはじめ多彩な精神症状を呈することが報告されており,本症例の精神症状も前頭葉障害によるものではないかと疑われ,文献的に若干の考察を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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