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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻1号

1985年01月発行

資料

やせを伴うEating disorderの臨床的研究—22年間の216症例について

著者: 北村陽英1 藤本淳三2 井上洋一1 豊永公司2 窪田直美2 館直彦1

所属機関: 1大阪大学医学部精神医学教室 2大阪府立中宮病院

ページ範囲:P.107 - P.116

文献概要

 抄録 やせを伴うEating disorder(以下EDE)の臨床での実態を把握するために,過去22年間の0大学精神科における受診状況を調査した。
 1)EDEで受診した患者は216名(女201名,男15名)あり,昭和49年頃以降に増加傾向が著しい。2)40%に過食が,39%に嘔吐が認められた。3)発症時年齢は,9歳から31歳の間にあり,最多発年齢は15歳,平均発症時年齢は16.4歳であった。EDEの小児型(前青年期型)ならびに晩発型(青年期媛期型)が存在する。4)結婚例は11名(5%),出産例は4名(2%)であった。死亡例は6名(3%)あり,そのうち4名は自殺死していた。5)発症後平均8.0%年を経た時点で,42%が社会適応不良であり,67%は精神身体症状が不変または悪化しており,慢性の経過をとる例が多い。
 EDEの増加傾向に対して,長期的見通しを持った精神医学的治療の確立か必要であり,その病理解明のために,女性性と母性をめぐる社会病理的視点が必須と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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