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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻10号

1985年10月発行

研究と報告

青年期強迫神経症の臨床

著者: 松本雅彦1 石坂好樹1 田村芳記1 南陽子2

所属機関: 1京都大学医学部精神神経科 2大阪赤十字病院精神神経科

ページ範囲:P.1113 - P.1122

文献概要

 抄録 10歳から20歳の間に発症した強迫神経症22例の臨床所見を報告した。
 1)13歳以前に発症する一群と14歳以降に発症する一群と,統計グラフ上2峰性に分布する傾向が認められた。
 2)前者は年少型,後者を年長型と仮称した。年少型は「退却-孤立化」という状況で発症し,強迫行為,途絶様状態など行動障害が前景に立つのに対して,年長型は「挑戦-挫折」という状況で発症し,強迫観念が症状の主要を占める傾向がある。
 3)治療経験から,年少型には症状治癒にいたる例も認められ,年長型の難治性とはかなりの対照を示すことが明らかとなった。この両型の治療に対する反応の相違について,症状,病前性格,発達,家族状況などの関連から若干の考察を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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