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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻10号

1985年10月発行

研究と報告

マリファナ精神病の1臨床例

著者: 津村哲彦1 谷矢雄二1 工藤行夫2 花田照久3 押尾雅友3

所属機関: 1医療法人祉団大和会大内病院 2杏林大学医学部精神神経科学教室 3昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1143 - P.1152

文献概要

 抄録 約2年5カ月間,ほぼ連日,マリファナを使用し,仕事に対する葛藤・会社の倒産・法的問題への恐怖・大学受験・逮捕・拘留などの状況を背景に,意識変容を伴う幻覚妄想状態に至ったマリファナ精神病の1臨床例を報告し,本症例を通して,マリファナ酩酊・マリファナ精神病・arnotivational syndrome。マリファナの精神作用やそれによる精神病状態の原因や起源・spontaneous recurrence・マリファナ使用の動機と予後,及び,臨床心理学的諸検査について検討した。
 本症例の示したマリファナによる精神病状態は意識変容状態と考えられ,その症状は心理的・状況的背景から考え,かなり了解しうるものと考えられる。
 わが国でも,マリファナ常用者がかなり存在しており,とくに,不安恐慌状態やマリファナ精神病は,精神医学的領域においても注意しなくてはならない病態と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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