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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻10号

1985年10月発行

研究と報告

Sheehan症候群の1例—精神症状と睡眠ポリグラフ所見を中心に

著者: 高橋敏治1 大滝紀宏1 笠原洋勇1 佐々木三男1 森温理1 五味秀穂2 宮島真之2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経学教室 2東京慈恵会医科大学第2内科学教室

ページ範囲:P.1153 - P.1157

文献概要

 抄録 気分易変性,子供への無関心,被害関係念慮,不眠,せん妄などの多彩な精神症状のために精神科入院となった34歳のSheehan症候群の1例について報告した。1)入院後の精神症状は,意識障害,情動過敏状態,意欲低下状態の3つの時期を経て軽快したが,内科治療と必ずしも平行しなかった。このうち意欲低下状態が退院後1年以上みられたが,人格変化として残遺することなく可逆的に軽快した。2)睡眠ポリグラ所見の特徴として,ホルモン補充療法前には%stage REMの減少,%stage 3+4の減少,睡眠内周期の乱れが認められた。補充療法5カ月後には,睡眠内周期は正常化し%stage REMも回復したが,%stage 3+4は減少したままであった。以上より,Sheehan症候群の精神症状の特微および視床下部—下垂体系ホルモンと睡眠障害の関連性について文献的に考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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