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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻10号

1985年10月発行

文献概要

研究と報告

Pick病における錐体路病変について

著者: 小阪憲司12 池田研二2 小林一成2 浜元純一2 松下正明1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所 2東京都立松沢病院

ページ範囲:P.1171 - P.1178

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 抄録 pick病では錐体外路病変をみることは少なくないが,錐体路病変の報告はきわめて少ない。その錐体路病変については,文献的に1)筋萎縮性側索硬化症の合併とする報告と2)二次変性とする報告の二通りの報告がある。今回,筆者らは,錐体路病変に注目して15例のPick病の自験例を検索し,特異な錐体路病変を有する3症例を見出したのでその3症例を報告した。いずれもPick病の経過中に錐体路徴候が出現したが,臨床的には筋萎縮性側索硬化症の合併とは診断されなかった。神経病理学的には,内包から中脳に移行するあたりから始まり,橋・延髄・脊髄に至る錐体路に左右対称性の変性がみられたが,前中心回の変性は軽く,内包・舌下神経核・脊髄前角・前根などには病変はみられず,従来報告のない特異な錐体路病変であった。この錐体路病変の発生機序については不明であるが,Pick病変との関係が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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