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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻11号

1985年11月発行

研究と報告

精神分裂病の2症例にみられた独語妄想について

著者: 笠原敏彦1 三好直基1 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1239 - P.1245

文献概要

 抄録 精神分裂病の2症例にみられた独語妄想の臨床的特徴について報告した。
 症例1は対人恐怖ののちに独語妄想を含む分裂病症状の発現をみたが,治療により軽快し,良好な社会適応を示した。症例2は数年間の幻覚妄想状態ののちに独語妄想を生じ,人格水準低下が急速に進行した。
 両症例の発病に至る経過,分裂病症状の特徴を吟味するとともに,独語妄想の内容や性状について強迫性,確信性,自我所属性,関係妄想性,状況依存性,対人性などの観点から比較検討した。
 その結果,両症例の独語妄想には,関係妄想性,状況依存性,対人性の点において,対照的な相違が認められた。症例1のそれは対人恐怖の症状構造と類似しており,症例2では自己拡散的色彩が顕著であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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