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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻11号

1985年11月発行

文献概要

研究と報告

小児の機能性視覚障害

著者: 横山尚洋1 高山東洋2 長瀬又男3

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科 2高山医院 3長瀬小児精神神経クリニック

ページ範囲:P.1267 - P.1274

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 抄録 屈折異常など眼科的には異常が認められないが視力低下や視野異常を示す小児175例について報告した。年齢は小中学校の学童期に集中しており高校生以降の年代にはほとんどみられず,性別では圧倒的に女子に多い。視力は0.4〜0.7程度の低下を示すものが多く,視野は中程度から軽度の求心性視野狭窄を示すものが多かった。発見の動機は学校の健康診断によるものが多く,症状の訴え方も受動的であり誇張する傾向には乏しく,視力低下を自覚しない例があった。ヒステリーの特徴とされる疾病への逃避,二次性利得,症状移動などもみられず,性格的にも特定の傾向は認められなかった。機能性視覚障害は眼科的症状からは転換症状の一つと考えられるが精神医学的には成人のヒステリーとは明らかに異なる特徴を持つことを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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