文献詳細
研究と報告
抗てんかん薬長期服用患者の視床下部—下垂体系機能について
著者: 有田忠司1 金山隆夫2 渡辺登美子1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2国立療養所寺泊病院
ページ範囲:P.1297 - P.1304
文献概要
てんかん群の甲状腺ホルモン末梢代謝動態は5′-脱ヨード酵素活性の亢進によるT4からT3への変換率が促進しており,正常対照群に比べ有意な低T4血症であった。TRH負荷試験では,てんかん群のTSH反応が全体に低下しており,TSH最大反応値は正常対照群に比べ有意に減少していた。このてんかん群でみられた下垂体TSH分泌予備能の低下は,5日間連続のTRH負荷試験から,下垂体レベルの機能異常によるものと考えられた。更に,抗てんかん薬長期服用患者では下垂体TSH含量の減少も示唆された。
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