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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻12号

1985年12月発行

文献概要

研究と報告

過食症と神経性食思不振症

著者: 切池信夫1 西脇新一1 泉屋洋一1 川北幸男1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1371 - P.1377

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 抄録 昭和55年4月から58年6月までの3年3カ月間に大阪市大病院神経精神科を受診し,治療を受けた28例のAnorexia nervosaを過食症を有する17例と摂食制限のみを認める11例に分け,発育史,家族歴,臨床症状,経過,予後などを対比検討した。過食症はAnorexia nervosaの約半数に認められ,これらの患者は病前においてやや肥満傾向を示し,摂食制限開始後約1年以内に過食症を生じた。その大部分においてほぼ毎日の頻度で過食症を生じ,その大半において過食後の嘔吐,下剤の乱用などを認めた。過食症を有する患者は高年齢で罹病期間が長く,精神症状で自殺企図,盗癖などの衝動行為を認め,MMPIにおいても摂食制限群と異なるパターンを示した。これらのことから過食症を有する患者はAnorexia nervosaの患者中一つの亜型群を形成していると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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