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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻12号

1985年12月発行

文献概要

研究と報告

月経周期に関連し発作時に高アンモニア血症を示したSpike-Wave Stuporの1例

著者: 横山尚洋1 柱岳文1 原常勝1 服部宗和2 海宝美和子2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科 2国立千葉病院神経科

ページ範囲:P.1413 - P.1420

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 抄録 強直間代発作が38歳で初発し,その約1年後にspike-wave stuporを呈するようになった女性例を報告した。spike-wave stuporは月に3回周期的に発来し約2日間持続するものであったが,基礎体温を測定したところspikc-wave stuporの出現は月経の前後および排卵期にほぼ一致していることが明らかとなった。また血中アンモニアがspike-wave stuporの発作中のみ高値を示し発作間欠期には正常であり,アンモニアが発作の誘発に関係していることが推測された。spike-wave stuporにおいて内分泌,生化学的な誘因を有する症例の報告は少なく,本例はspike-wave stuporの発生機序を考える上で興味あるものと思われる。また抗てんかん薬の微妙な調整により発作抑制に成功したことから,spike-wave stuporに与える抗てんかん薬の影響についても考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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