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短報
禁断時の意識障害を背景として鏡像書字を呈したMeprobamate依存の1例
著者: 玉井顕 年澄徹 鳥居方策 武内徹
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ページ範囲:P.1439 - P.1442
文献購入ページに移動Meprobamate依存の報告例は,本剤が盛んに使用された1955年から1970年までの間に数多くみられ,けいれんや意識障害が比較的出現しやすいことが指摘された1〜4)。しかし,その後は他のminor tranquilizer,とくにbenzodiazepine系薬剤が多数開発されるに及び,本剤依存は急激にその数を減じ,症例報告も殆ど見られなくなった。
一方,われわれは数年前から脳損傷に由来する鏡像書字を検索し,ある一定の大脳限局病巣のみが鏡像書字を出現させるのではなく,両半球のどの部位が損傷を受けても鏡像書字が出現する可能性を指摘するとともに,左右の各半球損傷による鏡像書字の間に明らかな性質の相違のあることを発見した5)。
われわれは,最近では稀なmeprobamate依存の症例を経験し,禁断時に観察された鏡像書字を脳損傷の場合と比較して興味ある所見を得たので報告する。
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