文献詳細
短報
精神神経症状を呈したNon-Hodgkin's Lymphomaの1例
著者: 千葉茂1 中條拓1 田中康雄1 高橋三郎1 高橋康二2 西野茂夫2 菊池雄三2
所属機関: 1旭川医科大学医学部精神医学講座 2旭川医科大学医学部放射線医学講座
ページ範囲:P.1443 - P.1445
文献概要
近年,非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma,以下NHLと略す)に対する治療成績が向上してきたが,一方では従来まれな合併症と考えられていたNHLの中枢神経系病変が増加しつつあることが指摘されている7〜9)。本症の中枢神経系病変は,臨床病期(現在NHLに用いられているAnn Arborの臨床病期分類によるもの)が進行した時期に多く3),腫瘍細胞の骨髄浸潤陽性と,腫瘍細胞が末梢血中に出現する白血化現象を示す症例において高率に認められるとされてきた5,7,10,11)。
最近われわれは,NHLが完全寛解期にあったにもかかわらず,幻視を伴う意識障害と髄液中に多数の腫瘍細胞を認め,NHLの髄膜浸潤と確診された症例を経験したので報告する。
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