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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)―その病態と臨床

序論—睡眠時無呼吸症候群と精神医学

著者: 山口成良1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.128 - P.129

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 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)とは,Guilleminaultら5)が定義するように,10秒以上続く無呼吸(鼻孔および口腔での気流の停止)が一晩(7時間)にREM期,NREM期を通じて30回以上あり,かつ反復する無呼吸のエピソードがNREM期に認められる場合をさすわけであるが,これにも中枢型(central apnea),閉塞型または上部気道型(obstructive orupper airway apnea)と混合型(mixed apnea)の3種が区別されている。
 ところで,Association of Sleep Disorders Centers(ASDC)とAssociation for the Psychophysiological Study of Sleep(APSS)とが共同して提案した「睡眠・覚醒障害の診断分類」1)では,睡眠時無呼吸不眠症候群(Sleep Apnea DIMS Syndrome)と睡眠時無呼吸過眠症候群(Sleep Apnea DOES Syndrome)に2大別している。前者は,Guilleminaultら4)によって新しい症候群"睡眠時無呼吸を伴う不眠症"として始めて報告されたもので,それは57歳と54歳の男性で,慢性の不眠を主訴とし,夜間の睡眠時に頻回の中枢型無呼吸が出現し,呼吸の再開に伴う覚醒反応のため,睡眠経過が頻回に(200回も)中断されて不眠を訴えるものである。後者は上部気道閉塞型の無呼吸を主とするもので,従来Pickwickian syndrome2)といわれたものが含まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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