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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻3号

1985年03月発行

文献概要

研究と報告

抗精神病薬投与中にみられた開眼困難—開眼失行およびMeige症候群との関連

著者: 大曲清1 緒方良1 森山成彬1 末次基洋1 山上敏子2

所属機関: 1九州大学医学部神経精神医学教室 2国立肥前療養所情動行動障害センター

ページ範囲:P.315 - P.322

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 抄録 精神分裂病で抗精神病薬投与中に開眼困難を訴えた7例を報告し,臨床経過から,これらの症状は抗精神病薬の随伴症状として生じたものであると考えた。7症例のうち5例が女性で,抗精神病薬を比較的長期投与された若い成人女性に多い傾向がみられた。抗精神病薬の増量変更が発症の引き金になっており,多くは一過性で,薬の減量もしくは自然経過によって軽快消失した。この開眼困難について,開眼失行,Meige症候群および遅発性ジスキネジアとの関連で考察を加えた。開眼困難の背景に,抗精神病薬によって引き起こされた線条体における神経伝達物質異常の存在が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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