文献詳細
研究と報告
47, XXX核型を伴った女子殺人犯の1例
著者: 風祭元1 南光進一郎1 中野明徳1 真藤洋子1
所属機関: 1帝京大学医学部精神科学教室
ページ範囲:P.323 - P.331
文献概要
本例は,常染色体異常を有する進行麻痺の母親の私生児として出生し,不良な家庭環境で生育,中学卒業後は頻回の転職,家出,売春などを反復し,本件犯行に至ったものである。染色体異常以外には身体的には正常,神経学的,内分泌学的にも異常を認めず,精神医学的には,境界線ないし軽度の精神遅滞を伴う反社会的人格障害antisocial personality disorderと診断した。
性染色体異常症と知能障害,性格異常,行動異常,責任能力との関係等について考察を加えた。
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