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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻3号

1985年03月発行

研究と報告

女子分裂病者の夫に関する諸問題

著者: 山本裕1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.333 - P.339

文献概要

 抄録 精神障害者の配偶者が病者の病態や治療上に影響を及ぼすことは日常よく経験される。今回,主婦として結婚生活を継続中の女子分裂病者の夫について家庭や治療揚面における彼らの意識や問題点を調査し検討を加えた。対象は1回以上の入院歴をもつ30名の女子分裂病者の夫である。
 平均結婚期間は18.7年で結婚形態は見合い結婚のほうが多かった。3名の夫は結婚前より妻の病気を知っていた。精神科受診前に妻側の親類に相談することが多かった。半数の者は医師より病気を指摘されて納得できたとした。妻の状態の悪い時は大多数が主婦の代理をつとめ,育児や勤務時間のやりくりに苦慮していた。治療者側より夫の態度をみると妻や治療に対する対応から客観型,拒否型,消極型,動揺型の4型に分けられた。夫の性格,妻の病型や罹病期間,さらに夫婦の実家との関係の違いが関与しており,それぞれに応じた対処が必要と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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