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短報
Clenched fist syndromeを伴ったてんかん性精神障害の1例
著者: 小川亮1 田中勝也1 秋山一郎1 笠原洋勇1 森温理1 常岡みちる2 長野哲2 遠藤洋一2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科教室 2東京慈恵会医科大学形成外科教室
ページ範囲:P.353 - P.355
文献購入ページに移動精神障害において,心身症やヒステリー転換型のように特有な身体症状を伴うことはしばしばみられる。手指領域においては,書痙,振戦として症状化することがあることもよく知られている。
一方,Simmonsら2)(1980)により初めて報告されたClenched fist syndrome(にぎりこぶし症候群)は,精神的転換現象の1症状として両側または片側の手指を堅く握りしめた状態を示すものであるが,非常に稀な身体症状とされている。
今回われわれは,分裂病様の幻覚,妄想を伴ったてんかん性精神障害に,にぎりこぶし症候群を伴った症例を経験したので報告する。
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