icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻3号

1985年03月発行

短報

離人症を呈した低テストステロン血症の1例

著者: 切池信夫1 古塚大介1 泉屋洋一1 川北幸男1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.359 - P.362

文献概要

I.はじめに
 離人症とは「自己疎隔感,感情疎隔感,自己同一性喪失感,実行意識喪失感」などを主症状とし4,10),分裂病,うつ病,神経症,てんかん,脳器質性障害,薬物中毒などの他,一過性には健常人においても出現する非特異的症状であるとされている4)。その発症機序については精神分析理論に基づく心因論から,身体的基盤を重視する立場まであり,いまだ定説をみていない。しかし,間脳症,てんかん,薬物中毒,LSD,メスカリンその他の幻覚剤の服薬などによって離人症を生じることが観察されていることから,古くから離人症の身体基盤として間脳の機能異常が推定されている4)
 今回われわれは司法試験の受験勉強という長期間の心身にわたるストレス状況下で,離人症と性機能障害を呈し,検査の結果,間脳性低テストステロン血症が見出され,アミトリプチリンの投与によりこれらの症状が改善した症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら