icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻4号

1985年04月発行

文献概要

研究と報告

小脳歯状核病変を呈したtardive dyskinesiaの1剖検例

著者: 新井信隆14 長友秀樹1 桑原寛1 天野直二1 横井晋1 斎藤惇2 小堀博3 吉原林3

所属機関: 1横浜市立大学精神神経科 2神奈川県立せりがや園 3曾我病院 4横浜市立大学第2病理学教室

ページ範囲:P.425 - P.430

文献購入ページに移動
 抄録 今回,われわれは,長期間の向精神薬内服によりtardive dyskinesiaを呈した精神分裂病の1剖検例を経験し,特徴ある所見を得たので報告する。
 症例は72歳の女性。34歳頃発症の精神分裂病患者でchlorpromazine,levomepromazine,thioridazineを長期間投与され,約12年後より,四肢のchoreoathetoid様の運動,口周囲のモグモグが出現し,tardive dyskinesiaとして観察されていたが,72歳時,イレウスにて死亡。神経病理学的には,1)lobotomy術後の変化,2)両側被殻の小軟化巣,3)黒質の軽度グリオーゼ,並びに極めて特徴的変化として,4)小脳歯状核神経細胞の腫大性変性像,樹状突起及び周囲の神経網の嗜銀性の増強,の所見を得た。
 tardivc dyskinesjaの責任病巣についてはまだ定説はなく様々な報告がある。小脳歯状核病変を強調するものは数少なく,症例の集積の必要性を考え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら