文献詳細
研究と報告
Sultopride(MS-5024)の躁病に対する臨床効果
著者: 森温理1 三浦貞則2 上島国利3 伊藤斉4 野口拓郎5 長谷川和夫6 金野滋7
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科学教室 2北里大学医学部精神医学教室 3杏林大学医学部精神神経科学教室 4慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 5埼玉医科大学精神医学教室 6聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室 7東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.445 - P.453
文献概要
使用量は150〜1,200mg/日(多くは300〜600mg/日)で,中等度改善以上を示したものは1週目48.6%,2週目70.3%,4週目86.5%,6週目78.4%,8週目75.7%であった。症状別では爽快気分,刺激性,精神運動興奮,思考奔逸をはじめとする躁症状に速やかに効果がみられた。
副作用としては錐体外路症状が比較的多くみられ,そのほか過剰鎮静,傾眠,うつ転などが認め認められた。臨床検査値には特別な変化はみられなかった。有用度ではかなり有用以上75.7%で本剤の使用価値は十分に認められた。
以上の結果から,本剤は躁病に対する治療薬として炭酸リチウム,chlorpromazine,haloperidolとならんで有用なものと思われる。
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