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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

抗てんかん薬服用者のカルシウム代謝異常—第2報 骨放射線学的検索と活性型ビタミンD3による治療

著者: 五十嵐良雄1 西村克己2 皆川正男3 倉田みどり3 田口勝彦3 宮前達也2 野口拓郎1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室 2埼玉医科大学放射線学教室 3毛呂病院精神科

ページ範囲:P.455 - P.463

 抄録 抗てんかん薬によるカルシウム(Ca)代謝異常によって骨欧化症を主とする骨病変を生ずることが報告されている。われわれは第1報として抗てんかん薬服用患者226例における主として血清酵素からみたCa代謝異常について報告したが,本報では226例の中より血清Ca,P,Ca×Pが226例の平均値1×S. D. 以下の症例62例について手部骨X-Pよりマイクロデンシトメトリー(MD)法を用いた解析を行い,活性型ビタミンD3(1α-D3)投与前および投与後24カ月目までの骨の変化を追跡した。その結果,62例全例ては骨祖鬆症を表わすMD法指標には変化は認めなかったが,骨軟化症を表わす指標は1a-D3投与後には有意な改善を示した。また,抗てんかん薬の服用期間と開始年齢によってそれぞれ3群に分け,解析を行った結果,服用期間10未満の群で1α-D3の治療的効果が最も良く発揮され,また,服用開始年齢20歳未満とりわけ10年齢未満の群では骨病変がより強いことが判明した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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