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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻4号

1985年04月発行

文献概要

紹介

ピネル神話の形成—2枚の絵をめぐって

著者: 菅原道哉1 池田商洋1 奥平謙一1 酒井正雄1

所属機関: 1神奈川県立芹香院

ページ範囲:P.473 - P.478

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 抄録 フィリップ・ピネルが狂者を鎖から解放したことをもって,近代精神医学が始まったとされている。しかし,その場所,日時となると曖昧である。
 1880年代後半より,ドイツ,フランスでピネルの業績について疑問が提示され始めた。ピネルの息子シピオン・ピネルのフランスアカデミーでの講演およびその講演録がピネル神話のもとになっているらしい。
 グラディ・スウェインの近著『狂気の問題—精神医学の誕生』は解放の場面を画いた2枚の絵を中心にして,ピネル神話が形成されてゆく過程を考証している。
 スウェィンの著作の紹介を主柱にして,ピルネ神話形成について述べた。鎖からの解放が自由,平等,博愛の旗印のもとで成されたことは事実であろうが,その日時,その場所その主人公はいずれもが時代背景の中で創られてきたものであることを述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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